虚子・柏翠・愛子

森のブリコ

2009年12月09日 21:27

龍翔館の3階には、三国と近代文学という
フロアがあります。三好達治、高見順などの
コーナーに連なり、俳句に関係した三人の写真が
並びます。

森田愛子さんは、
大正6年(1917年)、
旧三国町の豪商、
森田三郎右衛門の
娘として生まれ
三国高等女学校を卒業後、
東京の女子大へ進学。

生まれつき病弱であったので、療養のため
鎌倉で過ごすことになります。そこで
若き柏翠先生と出会い、またその師である
高浜虚子とも交友をもつことで、
本格的に俳句を詠むようになります。

三国に戻り療養を続けた愛子さんは、母と、
疎開してきた柏翠先生と三人で生活を送ります。
生きることへの執念と生まれ故郷、三国への愛情を
俳句に詠みますが、結核のため、29歳の若さで
その生涯を閉じます。

         
高浜虚子の小説 『 虹 』は、
三国を訪れた時の実話。
愛子さんは、美しきヒロインとして
登場しています。


伊藤柏翠先生は、
私の俳句の先生の師。
1999年に亡くなられた。
残念ながら、生前に
お会いしていません。

伊藤拍翠先生と、森田愛子さんのお墓は、
月窓寺という三国町内のお寺に並んであります。
花を供え、ロウソクを灯し、お線香を・・・。
お水もたくさんおかけしてきました。

その後訪れた東尋坊には、三人の句碑が、
日本海の風を受け、建っていました。
 
   野菊むら東尋坊に咲きみだれ     虚子

      日本海秋潮となる頃淋し      柏翠

       雪國の深き庇(かばい)や寝待月   愛子

関連記事