2009年01月15日
あの日から②
死者の数は、報道のたびにどんどん増えてゆく。
数十人から、数百人、数日で数千人になった。
「だから、・・・だから言ったのに!」 涙があふれた。
少し前に自分が大変だった時に、ぐっと飲み込んで
我慢してきたはずの涙まで、あふれ出してしまった。
私は、ノートをつけ始めた。どんなことがあったのか、
この娘が大きくなったら、話してやらなくては・・・・
テレビに流れていることを、箇条書きに
何ページも何ページもノートに書いた。
けれど、追いつかなかった。つらい光景ばかり・・・。
ペンを置き、どうしよう!どうしよう!と
娘を抱きながら、おろおろするばかりで
涙は、止まらなかった。
その一連の報道の中に、婚約者と母親を同時に亡くし、
ショックで声も出なくなり、立つことも
出来なくなった若い女性がテレビに映った。
私は、とうとう大きな声を上げて泣いてしまった。
悲しかったことは、沢山あったけれど、
そう、これほどではなかった。
私の悩みなどたいしたことは無かったのだ。
あんな小さなことの色々が、悩みだったなんて・・・
実は、幸せだったのだと気づかされた。
私は、もう一度、ノートを開き
この若い女性を思いながら、ペンを走らせた。
これだけは、ちゃんと残そう。少しすれば、
きっと忘れてしまう自分のために・・・
必ず、娘に伝えるために・・・・
歌にすれば、そうすれば、きっと忘れない。
詩の形にした。
長く眠れぬ夜が明けて 朝日の中に浮かぶのは
廃墟のビル見知らぬ町 握り締めた貴方の写真
あの日までは待ち合わせ 歩いた港語った未来
夜景の中で誓ってくれた
あなたは何処へいったのですか
涙があふれるはずなのに 悲しみあふれるはずなのに
祈ることさえ忘れている 一緒に選んだ白いドレス
これだけは私にと 渡してくれた真珠の指輪
優しく見つめていてくれた母
あなたは何処へいったのですか
※
死者6434人、負傷者約4万4千人
つづく
ショックで声も出なくなり、立つことも
出来なくなった若い女性がテレビに映った。
私は、とうとう大きな声を上げて泣いてしまった。
悲しかったことは、沢山あったけれど、
そう、これほどではなかった。
私の悩みなどたいしたことは無かったのだ。
あんな小さなことの色々が、悩みだったなんて・・・
実は、幸せだったのだと気づかされた。
私は、もう一度、ノートを開き
この若い女性を思いながら、ペンを走らせた。
これだけは、ちゃんと残そう。少しすれば、
きっと忘れてしまう自分のために・・・
必ず、娘に伝えるために・・・・
歌にすれば、そうすれば、きっと忘れない。
詩の形にした。
長く眠れぬ夜が明けて 朝日の中に浮かぶのは
廃墟のビル見知らぬ町 握り締めた貴方の写真
あの日までは待ち合わせ 歩いた港語った未来
夜景の中で誓ってくれた
あなたは何処へいったのですか
涙があふれるはずなのに 悲しみあふれるはずなのに
祈ることさえ忘れている 一緒に選んだ白いドレス
これだけは私にと 渡してくれた真珠の指輪
優しく見つめていてくれた母
あなたは何処へいったのですか
※
死者6434人、負傷者約4万4千人
つづく
Posted by 森のブリコ at01:46